第1話

紀元前300,000年〜紀元前299,995年

この星

この星が何かを育て始めてから、途方もない時間が過ぎていた。

大地は動いていた。割れ、ぶつかり、山を押し上げ、また沈んだ。海はその隙間を埋めるように形を変え続けていた。

その上を、生き物たちが歩いていた。

額の張り出した者たちが、北の森の奥にいた。背の低い頑丈な者たちが、寒い高地にいた。顎の細い者たちが、東の草原を移動していた。互いを知らなかった。同じ空の下で、別の時間を生きていた。

ある場所では、集団が水場を囲んで眠りについていた。別の場所では、獣に追われた者が走っていた。海沿いでは、波が岩を削り続けていた。誰もそれを見ていなかった。

その中に、少し違う者たちがいた。数は少なかった。何が違うのかは、まだ誰にもわからなかった。他の種がそうであったように、この者たちもいつ消えてもおかしくはなかった。

与えるもの

糸が繋がった。

初めて。

この者に。

全てを渡した。持っていた全てを。

その者

ただ歩き、ただ走った。水を求めて、食べれるものを求めて、本能のままに。

少し体が大きくなった。何かが変わった。やがて、立ち上がることさえ困難になった。

その夜、頭の奥で何かが弾けた。

体が震えた。目の奥が熱くなった。音のない音が、骨の内側を走った。

集団の誰も気づかなかった。この者が地面にうずくまっていたことに。歯を食いしばり、両手で頭を抱えていたことに。

朝が来た。何も覚えていなかった。ただ、体が重かった。

腹に痛みが走った。集団の女たちが周りにいた。言葉はなかった。ただ、そばにいた。

小さな声を聞いた。聞こえた。それだけだった。

その後のことを、この者は知らなかった。目を開けていたが、何も見ていなかった。

やがて、閉じた。

子は泣いていた。集団の誰かが、その子を抱き上げた。

伝播:届かなかった 集団規模:100 糸の総数:1人
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