紀元前298,565年
乾いた高地の端、岩棚の下に煙が上がっている。
獣の脂が焦げている。二つの群れの煙が、同じ方向から来ている。風下に集まった煙は混じり合うが、それぞれの火はまだ別々だ。どちらの群れがどちらの岩陰にいるか、煙の色で区別できる日もある。今日はできない。
丘の南側では、幼い者が泥に埋まった根を引き抜こうとして失敗し、また引き抜こうとしている。
北の窪地で、雌が二人、皮を石で叩いている。叩くたびに音が響き、遠くの鳥が飛び立つ。飛び立ってすぐ戻る。
若い雄が岩棚の手前で止まっている。骨を持っている。
煙の向こうで、知らない声がした。唸り声ではない。叫び声でもない。その中間のような音が、風に乗って届いた。届いたあと、消えた。
高地の草は短い。日差しが強い。
灰の匂いが風に乗ってきた。
別の群れの残り火の匂いだ。獣の脂が焦げた匂いと、知らない体の匂いが混じっている。その方向に、この者の鼻がわずかに向いた。
この者は骨を持ち替えた。匂いの方向ではなく、岩棚の内側へ向かった。
渡せたのか、腹が空いていたからそちらへ向かったのか。知らない。——次に渡すものは、今日と同じ匂いの中にある。そう思うだけだ。
岩棚の奥に火がある。
火の番をしているのは老いた雌で、顔に引っかき傷がある。古い傷だ。この者が生まれる前からあった傷かもしれない。
この者は骨を地面に置き、火の傍らに座った。
腹が鳴った。
老いた雌が何かを差し出した。焼いた肉の端切れだ。固い。歯で噛むと音がした。顎が痛んだ。それでも噛んだ。
外から声が来た。
この者は噛むのをやめた。
老いた雌も動かなかった。
声はもう一度来た。前と同じ声ではない。別の口から出た音だ。低く、長い。唸り声よりも穏やかで、叫び声よりも短い。
この者は骨を拾った。
立ち上がり、岩棚の縁まで行った。外を見た。
煙が二本、同じ方向に流れていた。
遠くに、影が二つあった。動いている。四本足ではない。二本足だ。
この者は手に骨を握ったまま、動かなかった。
影は止まった。
長い時間が経った。影はまた動いた。今度は遠ざかる方向に。
この者は岩棚の内側へ戻った。
骨を地面に置いた。
また拾った。
火が小さくなっていた。老いた雌が枝を一本くべた。煙が増えた。この者の目に煙が入った。目から水が出た。拭わなかった。
外の声は、もう聞こえなかった。