紀元前298,325年
岩盤が露出した丘の南側、草が枯れ始めていた。乾いた空気が斜面を這い上がり、低木の葉を裏返した。この五年で雨の回数が減り、川床が砂を増やした。獣の通り道が変わり、群れの動きも変わった。集団は南の岩場へ近づいた。別の集団も、同じ方向から近づいていた。
その者は川底の砂を踏んでいた。水がなかった。石が熱を持っていた。日差しがまだ高い時間に、ここはもう干上がっていた。
二つの集団が川床を挟んで向き合った日があった。声はなかった。唸りもなかった。ただ立っていた。水場を知っている者と、知らない者が、同じ乾きの中で互いを見ていた。日が動き、どちらかが先に退いた。次の日も同じことが起きた。退くのは毎回同じ側だった。
その者は集団の端にいた。正面には立たなかった。少し離れた岩の陰で、向こう側の者たちの足の向きを見ていた。踵が浮いている者がいる。膝が曲がっている者がいる。逃げる準備をしている。それが何を意味するか、その者には言葉がなかったが、体が先に覚えていた。
集団の中で何かが変わり始めていた。食料が減るにつれ、声の張り合いが増えた。眠れない夜に唸り声が続いた。長く生きた者が石を投げた。若い者が背を向けた。関係の地図が毎日少しずつ書き直されていた。
その者は岩を拾った。置いた。また拾った。同じ岩を三度拾って、川下へ投げた。水がないのに、石が跳ねる音が聞きたかったのかもしれなかった。音はしなかった。砂に沈んだ。
南の集団との距離が縮まった。近い夜には、向こうの火の煙が見えた。その者は煙の色を見ていた。草を燃やしている。こちらとは違う燃やし方だ。違うと気づいた。気づいたことを誰かに伝えようとした。腕を振った。音を出した。相手は別の方を向いていた。
雨が戻った年があった。川が少し深くなった。草が伸びた。その者は小動物の痕跡を追って、これまで入らなかった茂みに踏み込んだ。枝が顔に当たった。奥で土が柔らかかった。爪で掘られた跡があった。自分の爪ではない。向こう側の集団の誰かが、ここに来ていた。
踏み跡を調べた。大きさが違う。骨格が少し違う。違う形の足が、同じ場所で同じものを掘っていた。
その者は長くそこにいた。何もしなかった。踏み跡の周りを一周した。また中心に戻った。
それが知られた日のことを書かない。
ただ、その者が集団の中心から外されていった過程はゆっくりだった。食料を渡されなくなった。火の近くに座れなくなった。眠る場所が端になった。端が、もっと端になった。
岩の向こうは、もう集団の外だった。
土の中に、白い根があった。
光がそこに落ちた。日が傾いた角度で、土が割れた場所だけが明るくなった。その者は立ち止まった。しゃがんだ。根を引き抜いた。嗅いだ。食べなかった。
渡したものが、どこへ行ったか。