紀元前297,365年
乾季の終わりだった。
大地の中央を流れる川は水位を下げ、底の石が見えていた。東の岸に大きな群れ。西の岸に小さな群れ。岩場の陰に、異なる眉の隆起を持つ者たちの群れ。三つは同じ水を飲み、同じ空の下で眠り、しかし互いの境を越えなかった。
境は目に見えない。においと、声の高さと、どの岩の上で眠るかで決まっていた。
北の台地では、赤みがかった土の崖が崩れ、古い骨が露出した。誰も見ていない。崖の下に草が根を張り、翌年には覆い隠す。
南の沿岸では、潮が引いた後の砂浜に貝の死骸が積み重なり、鳥が群れていた。岩の裂け目から水が染み出し、藻が育ち、小さな生き物が卵を産んだ。誰もそこまで来ない。
川の中洲に、一本の枯れ木が立っていた。根は水に洗われ、幹だけが残っていた。東の群れの子どもが、その木の根元に石を投げて遊んでいた。西の岸の者が、それを遠くから見ていた。
岩場の陰の群れは、夕暮れに姿を消した。
川下の、浅瀬が始まる手前。
水面に光が当たる場所があった。その場所だけ、底の石の色が違って見えた。黒い石の中に、一つだけ白く、平らで、薄いものがあった。
その者が川縁を歩いていた。光は水面に揺れた。白い石の上に、一瞬だけ強く反射した。
その者は立ち止まった。
渡せるかどうかは、毎回わからない。渡した後にも、わからない。しかし今日も渡す。この者がその石を手に取るかどうかよりも、立ち止まったという事実が、もしかしたら何かの始まりかもしれないと、まだ思っている。
足の裏が川底の石を読んでいた。
尖ったもの、丸いもの、滑るもの。踏む前に足指が広がり、体重を分ける。川を渡ることは、考えることではなかった。体が知っていた。
光が目に刺さった。
目を細めた。そこだけ違った。水が揺れていないのに、一点が光っていた。手を伸ばした。冷たかった。石を引き上げた。
平らだった。掌に乗せると、端が薄く、光を通した。
口に入れた。石の味がした。岩の欠片とは違う舌触り。唇の端に血が滲んだが、痛みより先に、その薄さに気づいた。
岸に上がった。
濡れた石を膝の上に置き、持ってきた石で縁を叩いた。鈍い音だった。割れなかった。角度を変えた。小さな破片が飛んだ。残ったものを持ち上げた。端が鋭くなっていた。
草を一本引き抜いた。茎に当てた。切れた。
その者は声を出さなかった。
ただ、もう一度やった。草の茎。石の端。切れる音。切れる感触。何度もやった。草の茎が短くなっていった。
夕暮れが来た。
東の群れの中の、力の強い者たちが、川の方に来るのが見えた。その者の腹の中が冷えた。石を草の下に押し込んだ。押し込んで、また取り出した。重さを確かめた。押し込んだ。
去った。
翌朝、戻った。石はあった。
また草を切った。今度は、草ではなく、枝を試した。細い枝の皮が削れた。削れた部分が白かった。また削った。
三日後、東の群れの者が後ろに立っていた。
その者が振り返った時には、二人いた。
石を取り上げられた。
叩かれた。倒れた。砂に顔を押しつけられた。砂の中に川の匂いがあった。石のにおいもあった。
力が抜けた後も、砂の中で口を開けていた。
しばらくして、体を起こした。
石はなかった。
川を見た。光が水面を走っていた。また別の石があるかもしれないと思ったかどうかはわからない。体が川の方を向いていた。それだけだった。
足が一歩、水に入った。