紀元前294,845年
乾季が終わらない。
川は細くなった。泥の底が割れ、端から白く乾いていく。水を飲みに来る獣の足跡が、岸に重なって残っている。大型のものは来なくなった。足跡が消えた方向に、低い丘が続いている。
群れの野営地から煙が上がっている。火は消えていない。誰かが管理している。しかしその数は、五年前より少ない。地面に掘られた浅い穴が、野営地の縁に並んでいる。新しいものと、古くなって縁が崩れたものが、混ざっている。
遠く東の方角、川が分岐する場所に、別の群れがいる。彼らも水を探している。その群れの中に、背の低い者たちがいる。額の形が、この群れの者たちと違う。しかし同じ水を飲み、同じ岸に足跡を残している。
夜、二つの群れの焚き火が、川を挟んで見える。
どちらも消えない。どちらも近づかない。
岩の上に、鳥の羽根が一枚落ちている。風もないのに、少し動いた。
群れの中で熱が出た者がいた。その者ではない。別の者だ。
腕に赤みが広がる前に、腐った匂いがあった。その者の鼻がそれを捉えた瞬間、風がなかった。しかし匂いは来た。
その者は立ち止まった。
近づかなかった。
遠ざかる判断が、どこから来たのか、私にはわからない。この者が知っていたのか、たまたまそうしたのか。どちらでも構わない。次に渡すべきものがある。この群れにはまだ、火がある。
朝、老いた女が動かなくなっていた。
腕が腫れていた。昨日も腫れていたが、今日は色が違う。その者は近くまで行って、止まった。匂いがした。土とは違う匂い。何かが壊れていく匂い。
体が後ろに下がった。考えたのではない。足が先に動いた。
群れの大人たちが声を出していた。近づいていく者もいた。その者は近づかなかった。どこか遠い場所を見るような目で、腫れた腕を見ていた。
日が高くなる前に、老いた女は動かなくなった。誰かが声を上げた。長い声だった。その者はその声を聞きながら、野営地の端に向かって歩いた。
火のそばに座った。
枯れ枝を一本、拾った。火に近づけた。先端が煙を出した。その者はそれを地面に押しつけた。煙が細く上がった。また拾った。また押しつけた。
何かを確かめているようだった。何を確かめているのかは、この者にもわからなかった。
夕方、その者は川に下りた。水を手ですくった。顔を洗った。手をこすった。また洗った。
岸の砂に、大きな足跡があった。今朝ついたものではない。
その者はしばらくその足跡を見ていた。どこかへ消えた跡を、目で追った。丘の方向だ。
戻ったとき、群れの中で誰かがまた唸っていた。