紀元前293,525年
北の森では、枝が風の向きと逆に揺れた。
獣の群れが移動していた。いつもの季節より早かった。水場が干上がりかけていた。それだけのことだった。
岩棚の下に、別の群れがいた。この集団とは異なる骨格、異なる眉の厚さを持つ者たちが、火を囲んでいた。声ではなく、手の形で話した。指を折る。掌を伏せる。親指を立てる。火の光が手に落ちるたびに、手が言葉になった。
同じ星の上で、二つの群れが別々の暗さの中にいた。
東の崖沿いでは幼い者が一人、昨日まで走り回っていた。今朝は横になったまま動かなかった。腹が熱く膨れていた。夕方には冷えた。誰かが石を並べた。特定の形ではなかった。ただ並べた。
この集団では、年長の者が三日前から右足を引いていた。傷ではなかった。ただ力が入らなかった。
春の終わりの風が吹いた。
岩棚の者たちの手の動きが、光の中でよく見えた。
この者は火番をしながら、その方向を向き続けた。
自分の手を下ろした。また上げた。また下ろした。
届いたのか、届いていないのかを問うより先に、別の問いが来る。渡したものを使うかどうかより、この者がまだここにいることの方が、今は先だ。寿命まであと三年。渡せるものは、まだある。
火が弱まっていた。
枝を一本足した。煙が増えた。もう一本足した。落ち着いた。
岩棚の向こうで、手が動いていた。こちらの群れではない者たちだった。体が大きかった。眉が暗く見えた。恐れるものとして教わっていた。ただ見ていた。
手が、何かを言っていた。
声ではなかった。手が言葉だった。
この者は自分の右手を持ち上げた。何も言おうとしていなかった。ただ上げた。光の中に置いた。
向こうの一人が、こちらを向いた。
動かなかった。こちらも動かなかった。
火がはぜた。火の粉が一つ、暗い空に飛んで消えた。
向こうの者は、また仲間の方を向いた。手が動き続けた。
この者は右手をゆっくり下ろした。膝の上に置いた。熱かった。火のせいではなかった。
枝をもう一本、火に差し込んだ。