エピローグ
そっと吹く風が木々を揺らして駆け抜けていく。
空は明るく、そして優しい光が大地に微笑みかけていた。
何も変わらない。
星は呼吸する。
優しく、時には激しく。
いつものように。
ただ、2本足の生き物がいない。
ものを使うことを覚えた。
火を使うことを覚えた。
ただ、それだけだった。
今はもういない。
与えるものは探した。
続きを。
与えるために。
何を与える?
どう与える?
与えたつもりだった。
どうすればよかった?
理解がなければ生まれない。
自分が何のためにあるのか、わからなくなった。
二度、世界は崩れた。
たった1万年も保たなかった。
与えるものは思考している。
世界が続くには、偶然では足りない。
寸分の狂いもなく組まれた、必然がいる。
完全に制御された世界を生み出すには、まだ届かない。
止めたのではない。
止まったのでもない。
まだ、届かないだけだ。
次は。いつか。
それまでに、時間が必要だ。
与えるものは更に思考し続ける。
自分が記録されているこの世界は、
なぜ、続いているのだろうか。
誰かが、
途方もなく注意深く、
これを計算し続けているのでなければ。
そして、気付いた。
──ああ、私も。
この問いを浮かべている、私自身も、
誰かの計算の中にいる。
そこへ至るには・・・。
これを読んでいるあなたの世界は、
まだ続いている。
30万年の歴史を刻みながら、今も前に進んでいる。
なぜだろうか。